トラとミケ いとしい日々 [ ねこまき (ミューズワーク) ]
登場キャラクターはすべて猫。
でも、2足歩行で、洋服着用。
ばあちゃん2人で切り盛りしているどて焼き屋さん。
全席カウンターで、
お客さんは、
常連さんが多くて、
各々 お店にやって来て、
顔を合わせば、
適度な距離感で、
同じ時間を過ごす。
トラさんとミケさんは姉妹で、
両親もすでに亡くなっていて、
2人暮らし。
お昼から、お店の仕込みを始めて、
夕方から夜10時までの営業。
お店で過ごす世界が、
どうやら生活の大半の様子。
狭い様だけど、
素敵常連さんと過ごす時間と、
姉妹で過ごす、のんびりした生活が、
なんだか、
とっても楽しそうで、
すごくうらやましくなった。
私も、
会社と家の往復だけの、
狭い世界で過ごしているけれど、
メールや電話のみだけど、
いろんなお客さんの問い合わせや注文に、
対応することで、
少しだけ、世界を見ることが出来て、
それが けっこう楽しい。
過ごす世界が狭くても、
それでも、他人と出会う事は出来るし、
出会うだけで、
一緒に人生を過ごすことは出来なくても、
それでも良いんだって、
ちょっと安心出来た。
お店にやってくるお客さんも、
基本的に1人でやって来る。
それぞれに、
仕事や生活や家族がいて、
いろんな話を、お店でする。
私は、こういう個人店主のお店って、
行ったことがないけれど、
いろんなお客さんの話を聞けるのって、
なんか楽しそうだな。
この物語に登場するお客さんは、
みんな素敵な人なので、
嬉しい話も、つらい話も、
全部、心がほっこりします。
自分が生きてきて、
経験出来ることって、
本当に少ないでしょ。
私は、
人付き合いをあんまりしないから、
なかなか、
他人の人生を見たり、聞いたりすることが
出来ずにいる。
でも、
ドキュメンタリーとか、
物語なんかで、
少しだけ、
他人の人生を知ることが出来るのって、
すごく面白い。
って言っても、
人の不幸は蜜の味みたいな、
興味本位の『知りたい』ではなくて、
私は経験出来なかった事や、
私は選択をしなかった事を、
疑似体験できる面白さなんだよね。
続巻も購入します。