私の目から見ると、
どうもマウントを取っているような
前社長。
気の向いた時に、
ふら~っと会社にやって来る。
やって来ても、
積極的に、
あれこれすることも出来ないので、
会社宛てのメールを読んでは、
「これについては、こういう風に対応するべき」
なんてことを、
「あくまでもアドバイスだからね」
と言いながら、
そこそこの圧力で言ってくる。
『亀の甲より年の劫』という言葉もあるわけで、
前社長の経験値は、確かに高い。
高いけれど、
アドバイスと言うには、
ちょっと度が過ぎている様な時も、
たまにある。
そんな前社長、
今日は、
「給与振込扱いで支払っているお金を、
『家賃代』として振り込んで欲しい」
と言ってきた。
前社長への報酬は、
従業員の皆さんと同じように、
給与振込扱いで、
月末に振込処理をしている。
もちろん、
そういう方法で、
退職後の報酬を、
毎月お支払いすることは、
説明して、
「それで良い」と承諾をもらっている。
しかも、
今年の入ってから、
すでに11回も、
給与扱いで振り込みをしている。
なのに、
今年の給与振込も、
あと1回という時になって、
「通帳に『給与振込』と記載されるのは困る」
なんてことを言いだすなんて。
理由を聞いてみると、
「会社を退職して、
サラリーマンではなくなった。
なのに、『給与』を貰っていると言う扱いに
されるのが嫌だ。
社屋を貸している大家として、
『家賃』を振り込んでいる様に変えて欲しい」
と言う事らしい。
どうやら、
『給与』ではなく、
『家賃』を貰っている事にして欲しいと言う事みたい。
そういう風に希望する理由は、
よく分からないけれど、
どうして1年近く経ってから、
そんな風に思ったのかが、
とにかく疑問。
でも、
その後、顧問の税理士さんから電話が掛かってきて、
どうやら、
『家賃』収入の方が、
税金が安くなると思ったみたい。
前社長には、
給与として15万円
家賃として30万円
合計45万円支払っているので、
どちらにしても、
確定申告は必要らしい。
その説明を聞いて、
今まで通りの振り込み方法で良いと言ってくれたようです。
やれやれ。
今年もあと3週間あまり。
うちの会社は12月が決算なので、
決算前に、
税理士の先生が来ることになっています。
前社長は、
退職後も株を所持しているので、
「株主として同席する」と言ってます。
そうなんです。
うちの会社は、
前社長が会社の株を全て持っているんです。
つまり、
新社長は、
株無しの、雇われ社長。
この力関係。
税理士の先生いわく、
「いつかは、新社長が半分以上の株を持つようにした方が良い」
そうです。
株を持っていないと言う事は、
実質的な経営者にはなれないって事だからね。
でも、
前社長は、きっと株を手放さないと思う。
実は、
以前、
「株を手放したら、
いっさい、会社には顔を出さない」
なんて言ってたけど、
そんな事、
マウント大好きな前社長に出来るわけがない。
さらには、
「株は欲しいなら、
会社すべてを、言い値で買い取れ」
とも言ってたからね。
「そんな大金、
この間まで雇われ人だった私に
用意出来るわけない」
って、
新社長はあきらめてしまってます。
さて、
このねじれ経営。
いつまで続くのやら。