事の発端は、
会社の在庫の管理だった。
『先入れ先出し』
という言葉があるんだけど、
今日、
社長が、
ある商品を、
お客様のところに出荷する準備をしていたら、
どうやら、
入荷時期の古い在庫が出て来たらしい。
実は、
この商品、
在庫過多で、
去年、特価で販売したことがあるんだけど、
その時に、
どうやら、
入荷時期の新しいものを、
先に出荷してしまったらしい。
それについて、
在庫管理をしている私に、
「いったい、どういう管理をしているんだ。
なんで、在庫処分の特価で、
新しい商品を出荷したんだ。
入荷時期の古い、
しかも状態の悪いものを残して、
あんなの正規価格で売れないだろ。
会社のお金をなんだと思ってるんだ・
〇十万の損害だ。」
と、
ぶち切れのご様子。
在庫管理をしていたのは、
確かに私だし、
受注や出荷手配をしたのも私だ。
でも、
実際に、
倉庫から商品を出してきて、
梱包したのは、
社長か社員さんなんだよなあ。
ってことは、
先入れ先出しのルールを破ったのは、
私ではなく、
現場って事だよね。
なのに、
どうして、
そんなに言われなくちゃいけないわけ。
と、
思ったモノの、
それを、
社長に話したところで、
きっと、
「そんなこと知らない。
あなたの管理が悪いのを、
こちらのせいにするな」
なんて感じに、
言い返されて、
さらにあれこれ言われかねない。
社長は、
いわゆる『正論』を言う人なんで、
相手の言い分は聞かないんだよね。
今回の事も、
古い在庫商品が残ってしまっていたことは事実だし、
それを数字面で管理しているのは私だ。
でも、
実物を触ったのは、
社長たちなんだけど、
そこのところは、スルーしちゃうんだよね。
で、
そんな機嫌の悪い状態で、
仕事をしていた社長が、
また、
怒りながらやって来た。
「あなたのプリンターは、
大事な書類を印刷するためのモノじゃないのか。
誰が、何に使っても良い、
どうでも良いプリンターなんだな。
だったら、私も勝手に使ってよいんだな」
って言いに来た。
どうやら、
社員さんが、
社内用の用紙を、
書類用のプリンターで印刷していたらしい。
実は、
私の会社では、
格安の互換インクで使っているんです。
ただ、
ラベルや取扱説明書などを印刷するプリンターだけは、
正規のインクを装填して、
大事な時だけ使うようにしているんです。
というのも、
わが社では、
受注関連の書類、
請求関連の書類、
納品関連の書類、
出荷関連の書類、
などなど、
印刷する書類が多いんです。
だから、
プリンターの消耗も激しくて、
節約のために互換インクを使っているし、
ある意味、
プリンターは消耗品感覚で、
格安のモデルを使っています。
でも、
お客様の手にする書類だけは、
きれいに印刷しよう
と、
1台だけ、
専用のプリンターにしていました。
と、
説明は長くなったけれど、
とにかく、
そのプリンターで、
社員さんが、社内用の用紙を印刷していたのを、
社長が目にしたということらしい。
で、
そのプリンターを管理しているのが、
私だから、
私に文句を言ってきたという訳です。
「どうでも良い事に使うなら、
互換インクに交換しろ。
管理できないなら、
最初から使うな。
これからは、私が管理するから、
持ってこい」
と、
またまたぶち切れ。
でも、
もともと、
このプリンターは、
現場に置いて、
私は必要な時に、
使いに行きます
と言ったんです。
でも、
「あなたの方が、使う頻度が多いから、
あなたの横に置けば良い」
と、
社長が言ったんです。
あと、
社員さんが、
このプリンターを使うのも、
現場のプリンターの調子が悪くて、
上手く印刷できない時に使っていたんです。
だから、
「現場用のプリンターを買ってください」
と、
私は社長に頼んだんだけど、
「(社員さんが)整備しないで、
調子が悪いって言ってるんだったら、
買うのは認めない」
って言うから、
社員さんが、
私のプリンターを使っちゃうことになったんだと思う。
いつもは、
社長の言い方のきつさで、
気持ちが沈んでしまって、
話の内容を冷静に聞けないことが多いんだけど、
今日は、
言い方は置いといて、
何を言ってるのかを、
一生懸命聞いてみたんだよね。
というのも、
社長は、
たしかに言い方はきつい。
「そんな言い方しなくても」
と毎回思う。
思うけれど、
でも、
言ってることは、
正しい。
要するに、
私の方に、
言われてしまう原因があるのは事実。
今までは、
言われる私に非がある。
そういう風に思っていました。
だから、
言われたことを忘れない様に、
失敗しない様に、
怒らせない様に、
機嫌を損ねない様に、
そういうことを、
常に気にしながら、
毎日、仕事をしていました。
でも、
今日言われたことは、
ちょっと納得できなかった。
その時、その時で、
言うことが、
若干、コロコロ変わる感じがあるし、
なんでもかんでも、
私が悪い
って感じで言われてしまうのも、
正直、違うんじゃないかな
って時もあるんだよなあ。
しかも、
「社員が少ないから仕方ないだけで、
本当なら、辞めてもらうところだ。」
とまで言われました。
この
「辞めてもらう」
って言葉、
もう2回目だな。
しかも、
この間は、
「一生懸命すれば、許されると思ってるのか。
成果が出せないなら、辞めてしまえ」
と言われたからな。
人間は、
怒りの感情の時に口走ったことって、
きっと本音なんだよね。
よっぽど、
私を辞めさせたいって思ってるんだなあ。
でも、
今は、
まだ、お給料を頂かないと困るので、
辞めるわけにはいかない。
とは言っても、
辞めろ辞めろと言われ続けながら、
仕事続けるのも、
なんか嫌だよなあ。
だから、
少しずつでも、
社長にきつく言われない様に、
少しずつでも、
ミスや失敗をしない様に。
いや、
それよりも、
お客様に迷惑や嫌な思いをさせない様に。
だって、
私が、
大事なお給料を頂けているのは、
お客様が、
代金を支払ってくれているから。
そして、
数年の未来が心配じゃないくらい、
貯金が貯まったら、
お望み通り、
会社を辞めよう。
仕事は、
簡単には見つからないだろうけど、
それでも、
嫌だ嫌だと思いながら働くのは、
失礼だからね。
仕事に行くのが嫌だと思う前に、
辞めようと、思ってはいる。
さて、
いつまで、
こらえられるのかな。