休み明け、
会社へ向かっていたら、
景色が一変していた。
田植えが完了して、
短い稲が一面に植えられていた。
そうかあ、
もう6月だもんなあ。
地域によって、
田植えの時期は違うのかもしれないけれど、
いよいよ、
夏がやって来るって感じがします。
暦的には、
もう『初夏』なのかな。
気温も、
天気の良い昼間だと、
もう『暑い』くらいになって来ているし、
我が家でも、
週末には、
暑くて、
扇風機を回しました。
私の地元は、
いわゆる『地方都市』なんですが、
その市内でも、
外れたところに、
我が家は位置していて、
家の周りは、
田んぼが多い。
田植えが終わると、
夏の間は、
どんどん背が高くなっていく稲の緑を、
毎日眺めながら、
会社へ通う事になります。
見渡す限りの、
田んぼの緑は、
まるで草原のようで、
毎年見ていても、
素敵だなあって思うんですよね。
でも、
私が子どもの頃に比べると、
田んぼの面積は小さくなっているみたいです。
いろんな事情があるんだと思うけれど、
休耕地になっていたり、
家が建っていたり、
姿を変えてしまっているところが増えました。
我が家は農家では無いんだけれど、
子どもの頃は、
同級生なんかにも、
農家の子が多くて、
お家に遊びに行くと、
家の片隅に、
トラクターや田植え機、コンバインなんかが、
置いてあるところもありましたね。
家族総出で、
農作業をしている姿も見かけたもんです。
大人になって、
その理由が分かるようになったけど、
子どもの頃は、
農家のお家は、
『お金持ち』だって、
自然と知ってましたね。
まず、
お家が大きいお宅が多かった。
あと、
乗っている自家用車も、
高級車が多かった。
子どもだったので、
なんでなのかは分からなかったけど、
分からないけれど、
それが『当たり前』だと思っていた。
でも、
大人になると分かります。
農業って、
とにかく、
大きな先行投資が必要な職業ですよね。
種や苗ももちろんだけど、
なにより、
田畑という土地を所有していないといけない。
加えて、
農作業をする車や工具も必要。
そんな先行投資をしたにも関わらず、
天候という、
人間の力では、
どうにもならないモノに、
出来栄えを左右されてしまう。
もしも、
台風などの大雨で、
稲が育つ前に、
水に浸かってしまったら、
大損害を受けてしまう。
1年の収入がゼロ、
いや、
先行投資してるから、
マイナスになってしまう。
もちろん、
お米だけでなく、
野菜やお花などもそうだし、
農業だけでなく、
漁業や林業、畜産業なんかも、
そういう、
どうなるか分からないっていう、
怖さを持っている。
そう思うと、
すごいなあって思うんだよね。
最近は、
農家のなり手が少ないっていうけれど、
農業って、
食生活の要だから、
無くなってしまうと、
本当に困る。
かと言って、
私が、
さあやってみろ
と言われても、
やってみる気持ちには、
なかなかなれないのも事実。
それぐらい、
体力的にも、
精神的にも、
しんどい職業だなと思う。
日本は、
いろんなものを輸入に頼っているけれど、
世界情勢が、
いつどうなるか分からない中、
自力で食料を賄えないというのは、
やはり、
問題なんだと思う。
ロシアがウクライナに侵攻した時、
小麦の輸入量が、
すごく減ってしまって、
食品関係の業種では、
すごく大変だったと、
報道されていたよね。
輸入すること自体は、
悪い事では無いけれど、
頼りすぎてしまうのは、
やっぱり問題なんだろうね。
なんでも、
やり過ぎはダメってことだね。
狭い日本の土地で、
これから、
どれだけのことが出来るのか。
少子高齢化で、
労働力も減っていくだろうし、
日本という国が、
どんどん弱っていきそうで、
心配だね。
私の地元の夏の景色も、
数年後、
緑の苗が見られなくなるかもしれない。
そうならないでくれると良いんだけどね。