お盆休みが始まってから読み始めた
幼女戦記 (30) (角川コミックス・エース) [ 東條 チカ ]
お盆の時期は、
日本では、
広島と長崎では、
平和式典が行われ、
15日は終戦の日なので、
戦争と平和について考える時期でもある。
そういう時期に、
この漫画を読んだこと、
私は、
すごく良かったって思うんです。
この漫画は、
地球のヨーロッパに似た国々が舞台で、
その1つの国の軍人たちの物語です。
タイトルの通り、
主人公は、
まだ少女と呼べる年齢でありながら、
戦闘能力があるという理由で、
軍に所属し、
最新刊では、
大佐まで出世し、
大隊長として、
隊員を率いて、
戦場で戦っている。
漫画の中では、
魔導という魔法を使える能力があると、
年齢や性別関係無しに、
軍に徴兵される。
戦争を行なうということは、
それぞれの国には、
戦う理由がある。
国が戦争を始めると、
軍隊に所属した国民が、
武器を持ち、
兵器を使い、
国が敵と呼ぶ相手を、
攻撃し、
傷つけ、
時には命を奪う。
戦後生まれの私は、
戦争というモノを経験したことが無い。
今の日本は平和で、
敵国と呼ぶような相手はいない。
でも、
数十年前の日本では、
他国を敵と呼び、
攻撃をし、
自国も攻撃を受けていた。
今は、
外国の出来事として、
映像などでしか見ることが無いけれど、
ついこの間まで、
日本は戦争をしていたんだ。
相手国を攻撃するのと同じように、
自国も攻撃を受けた街は、
焼けて、
崩れて、
けが人があふれかえっていた。
そんな街が、
日本のあちこちに存在していた。
そして、
戦時の日本にも徴兵制があり、
健康な男性であれば、
誰もが軍人として、
戦地へ行く可能性があった。
この間、
NHKの番組で、
特攻隊について放送していたのを見たけれど、
敵の戦艦に、
飛行機や小型船などでぶつかっていくという行為が、
軍事作戦として、
何年にもわたって行われていた。
さらに、
この作戦について、
国民は皆知っていたという事が、
平和な日本で生きて来た私には、
驚きだったし、
恐ろしいとさえ思った。
自分と同じ国の人間が、
死ぬことを前提とした攻撃行為をしていることを、
知ったら、
今なら、
反対の声があがるはずだ。
でも、
戦時中は、
それすら受け入れるしかなかった。
自分の同じ街の人が、
自分の友達が、
自分の家族が、
特攻と言う軍事作戦を行なうことを知っても、
どうすることも出来なかった。
平和な日常を送っていると、
どうして、
戦争をするのか、
理解できない。
この漫画を読むと、
戦時中の日本が、
世界大戦を行なっていた頃の参戦国が、
そして、
今も戦争を行なっている人たちが、
どんな気持ちで戦っているのかを、
少しだけ想像することが出来るような気がする。
戦争を始めるきっかけは、
国力の低下や、
経済的な不調、
宗教や民族の権利を守るため、
そういう、
今の状況を良くするための行動なんだろう。
きっかけは様々だけど、
実際に戦う人たちは、
自分の国や民族を守りたい、
そういう気持ちが強いのだろう。
だって、
国や民族を守ることは、
自分の大事な人を守る事とイコールだから。
敵と呼ぶ相手を傷つけたいのではなく、
自分の大事なモノを守りたい。
そういう気持ちで戦っていたのかもしれない。
守るために、
他者を攻撃しないといけないなんて。
考えると、
とても悲しい戦いだと思う。
そんなことを、
この漫画を読むと思うんだよね。
どうして、
人間は戦争をやめられないのか。
戦争は、
人間の欲望のせいだ。
ずっとそう思っていたけど、
大切なモノを守りたいという、
そういう気持ちでも戦いは起こるんだ。
でも、
傷つけあうのは、
やっぱり賛成できない。
周りを皆 大切にすることが出来れば、
戦わなくて済むんじゃないかな。
それは、
理想なのかなあ。
でも、
それでも、
世界中で戦争が無くなって欲しいと
願わずにはいられません。