社長のお父さんのお通夜があって、
仕事をある程度片付けて、
その後、
車で30分掛けて、
葬儀場に行ったんだけど、
着いてみたら、
まず、
受付が無い。
さらに、
入り口で、
親族の皆さんが立っていて、
帰る参列者の皆さんを、
お見送りしている。
えっ?
ん?
なんだか様子がおかしいな
と思いながら、
中に入っていくと、
葬儀場のスタッフさんが、
椅子などを片付けている。
おかしい。
どう考えてもおかしい。
お通夜は、
19時から20時だと聞いていて、
到着したのは、
19時半。
焼香場所も無く、
どうしたら良いのか分からなくて、
仕方なく、
入り口に立っていた社長に声を掛けた。
「終わったんだよ、もう」
なんですと。
御年90歳の、
お父さんのお通夜ですよね。
たしか、
自営で、
ご近所付き合いも多いし、
お仕事のお付き合いだってあるはずだから、
たっぷり1時間掛かると思って、
油断してしまった。
お焼香も出来ず、
着た途端に、
帰ることになってしまった。
やれやれ。
いったい、
何のために、
喪服に着替えて、
苦手な夜道を運転してきたのやら。
でも、
まあ、
調べてみたら、
お通夜は、
1時間以内なら、
遅れても駆けつけるべし
と書いてあったし、
早く終わってしまったとは言え、
会場に来ただけでも、
哀悼の意を表したということにして頂こう。
それにしても、
たった半年で、
同じ葬儀会場に、
また来ることになるとは思わなかったな。
立て続けに、
両親を亡くすのって、
どういう気持ちなんだろうなあ、
って、
帰り道、
運転しながら考えてたんだけど、
私だって、
父は、
数年前から介護施設に入所して、
ほとんど顔を合わすことが無いし、
母も、
ずっと入院していて、
今も、
足の手術のために入院中。
幸い、
2人とも元気でいてくれてるけれど、
一緒に過ごしていないんだよなあ。
もしも、
父や母が亡くなったら、
私は、
悲しいとか、
寂しいとか、
そういう感情を持つのだろうか。
なんだか、
そういう感情を持たないんじゃないか
って思うんだよね。
それよりも、
もっと親孝行出来たんじゃないか
とか、
もっと一緒に過ごせばよかった
とか、
そういう後悔の気持ちばかりを、
感じるような気がする。
弟を亡くした時も、
いなくなった寂しさよりも、
それまで、
もっと、
優しく出来たんじゃないか
とか、
もっと、
いろいろ話せばよかったとか、
そんな後悔ばかりだった。
人って、
寿命が終わった時が1度目の死で、
皆に忘れられた時が2度目の死なんだって。
でも、
私は、
後悔と言う感情で、
弟のことを忘れることは無い。
姿形が無くなったって、
意外と、
人の存在って、
無くならないもんなの