会社の隣のお家、
ご夫婦2人で暮らしているのだけど、
少し前から、
奥さんが認知症を患っているとかで、
時々、
旦那さんが怒鳴る声が聞こえることがあった。
私は、
身近に認知症の人がいないので、
実際はどんな症状が出るのかは、
知らないので、
あくまで、
わずかな知識しか無いけれど、
少しずつ、
記憶があいまいになって、
今まで出来ていたことが、
少しずつ出来なくなっていく。
家族や友達のことが分からなくなったり、
今いる場所や、
向かっている場所が分からなくなったり。
認知症が原因で、
家を出たまま、
戻れなくなって、
そのまま行方が分からなくなってしまう人もいると聞く。
病気だけれど、
身体は元気だから、
歩くことも出来るし、
聞いた話によると、
けっこう長距離を移動してしまうと言う。
今日、
会社の近くを、
お隣のだんなさんが通って、
その時に、
社長と少し話をしたらしい。
「洗濯物を畳んでおいたんだけど、
出かけて帰ってきたら、
それが無くなってしまってた。
以前は、
電気を消し忘れていると、
注意されたもんなのに、
今は逆だ。
今までで、今が一番しんどい」
と、
だんなさんは話していたらしい。
きっと、
ずっと、しっかりした頼りになる奥さんだったのだろう。
なのに、
病気のせいで、
いろんなことが出来なくなっていく。
それに対して、
苛立って、
つい、
大きな声で怒鳴ってしまうのだろう。
介護って、
相手は大人だからこそ、
心にも身体にも負担が大きい。
以前、
前社長の奥さんが言ってたんだけど、
赤ちゃんなら、
世話をしていれば、
少しずつ成長して、
だんだんと手が掛からなくなっていく。
でも、
介護は、
終わりが無い。
だから、
介護している方が疲れ果ててしまう。
もちろん、
子育てだって、
大変な事がいっぱいあるだろう。
でも、
たしかに、
介護は、
自分と変わらない大きな身体を相手に、
状況は変わることが無い、
もしくは、
どんどんと悪くなっていく。
終わりのない、
どこにもたどり着かない道を歩くのは、
きっとつらいだろう。
つらくて、
しんどくて、
でも、
それを相手にぶつけることも出来ない。
そんな毎日が、
ずっと続いていたら、
無理やりにでも、
終わらせたい
なんてことを思っても仕方ない
と、
私は思う。
最近は、
親の看病をする子どもを、
ヤングケアラーと呼んで、
周りの大人たちが、
手を差し伸べようと言う動きも出ている。
同じように、
自宅で、
家族の介護をしている人に対しても、
周りの人が、
手を差し伸べる、
そういう仕組みが必要だと思う。
私だって、
今は、
介護施設や介護職の人たちの手を借りて、
なんとか、
両親の介護をしている。
おたがいさまなんだから、
しんどい時やつらい時は、
助けてもらっても、
それは恥ずかしい事でも、
無責任でも無いんだと、
私は思う。
皆が、
毎日、楽しく過ごせなければ、
せっかく生きている意味が無い。
そういうことに、
税金を使って欲しいな。