会社の隣のご夫婦の奥さんが、
認知症になって、
それがきっかけなのか、
ご夫婦は、
以前暮らしていた横浜に引っ越すことになったそうです。
聞いた話だけれど、
ご夫婦は、
旦那さんが定年退職した後、
旦那さんの実家である、
お隣に引っ越して来たそうです。
旦那さんは、
今、80歳くらいのはずなので、
10年以上を暮らして来たわけだ。
これまた、
聞いた話だけれど、
横浜には、息子さんがいるそうで、
息子さんの近くで暮らすことにしたらしい。
私もそうだけど、
進学や就職をきっかけに、
子どもの頃から暮らして来た実家を離れて、
別々の場所で暮らすことがある。
私の場合は、
私の事情で、
実家に戻ることになったけれど、
結果的には、
良かったなあと思っている。
父が介護施設に入所して、
その後、
母が体調を崩して入院して、
退院後も、
まだ、自力で出歩くことが困難な状態になった。
もしも、
私が離れた場所で働いていたら、
仕事を辞めて、
実家に戻ることになったかもしれない。
そうなっていたら、
田舎である実家付近で、
ましてや、
50歳と言う、今の年齢で、
すぐに仕事も見つからなかったかもしれない。
実家に帰ってくるまでは、
私も、
帰省ラッシュって言葉に怯える、
お盆や年末年始を過ごしていたもんだ。
いろんな家族の関係があるけれど、
私の場合は、
今までは、
実家で両親と顔を合わせて暮らす事が、
正直、
面倒だった。
父は母に頭が上がらない人だったし、
母は、
子どもの私に対して、
いつまでも口を出すタイプの親だった。
そういう母が、
時にうっとうしくもあって、
そのせいで、
就職を機に、
実家を出たわけだ。
その時、思った。
家族だって、
適度な距離を保った方が、
上手く行くのだと。
実家に帰って来てからは、
しばらくは、
母の口うるささにうんざりしていた時期もあったけど、
少しずつ、
母とは距離をおくようにして、
就かず離れずの、
心地よい関係に落ち着いた。
母が体調を崩してからは、
若干、
距離を詰めなくてはいけないこともあるけれど、
それでも、
ようやく、
心地よい関係になれた気がする。
『毒親』
とか
『親ガチャ』
とか、
なんだか気が沈む言葉も聞くけれど、
家族でも、
必ずしも、
近い距離でいなくてはいけない
ってことは無いのかもしれない。
距離感は、
その時、
その時で、
変えていくのも良いのかも。
お互いに元気で若い頃は、
離れて、
干渉せず、
自由に過ごして、
歳を取ったら、
助け合えるように、
近くで暮らす。
そんな感じが良さそうだ。
私が年老いたら、
いったい、
どこで暮らすのだろう。
今のまま、
実家なのか、
はたまた、
まったく別の場所なのか。