会社に、
生命保険の営業の人がやって来る、
なんて話を聞いたことがある。
去年かな、
会社に、
かんぽ生命の営業の方が、
飛び込みでやって来た。
とは言っても、
個人向けでは無く、
法人向けの生命保険を売り込みに来た。
最初は、
社長を訪ねて来たんだけど、
面倒だったからか、
2回目の訪問は、
私は相手をすることになった。
で、
かんぽ生命の方が進めてくれたのが、
積み立て型の生命保険。
最短10年で、最大1000万円のモノらしくて、
会社が保険料を負担する代わりに、
半金を経費として計上することが出来る。
というのが、売りらしい。
まあ、
生命保険なので、
怪我や病気では保険金は出ないけれど、
満期になれば、
90%以上の金額が戻って来るらしい。
経費として、
積み立てている間は、
税金対策をして、
満期になったら、
社員の退職金などにあてる、
そういうものらしいんだけど、
貯金と違って、
満額が帰ってくるわけでは無いけれど、
まあ、
会社が負担してくれるわけだから、
多少は目をつぶれるのかしら。
で、
さあ、
加入に向けて、
見積もりをお願いしようと思ったら、
ちょっとした邪魔者が現れた。
それが、
郵便局に勤めている、
社長の娘さん。
社長が、
かんぽ生命の保険に入る
ということを、
家族に話したら、
娘さんが、
「それだったら、
私を通して保険に入ってよ」
と言って来たらしい。
郵便局とかんぽ生命は、
グループ会社とは言え、
本来は、別会社なわけで、
「ああ、そうですか。
じゃあ、郵便局さんでどうぞ」
というわけにはいかないみたい。
そりゃあ、そうだ。
契約を取りたいから、
わざわざ、
飛び込みで営業に来て、
その後も、
何度も足を運んでいるのに、
社長の娘というだけで、
後からやって来た郵便局員に、
持って行かれては困るよね。
でも、
まあ、
社長の娘さんは、
今までも、
お中元やお歳暮を、
自分のいる郵便局窓口扱いで注文して欲しい
と、
社長を通して頼んで来ているし、
今回の保険の事も、
父親の会社が、
保険に入ることを検討していると聞いて、
売り込みを掛けて来たのだろう。
どうやら、
そういう販売数で、
局員としての評価が変わるようだ。
そんな娘さんの父親だけあって、
社長も、
かんぽ生命の営業さんに、
「娘を通してでなければ、
契約はしない。
出来ないなら、契約しない」
と、
はっきり言ってて、
親子そろって、
なかなかすごいなと、
正直、
怖いくらいだった。
結局、
今回の契約については、
成績は、
かんぽ対娘さんで、
半々の取り分で落ち着いたみたい。
でも、
社長は、
「娘に8割くらいにして欲しいんだけどな。
間違いなく、
娘の成績になるようにしておくように。」
と念を押していたし、
その後、
娘さんに、
かんぽ生命の担当者の名刺を、
LINEで送って、
「もしも、成績が違ってたら、
すぐに知らせろ」
と伝えたらしい。
いやあ、
これぐらいじゃないと、
客商売って勝ち残っていけないのかな。
なんか、
正直、
個人的には、
あんまり関わりたくないなっていうのが、
本音だな。
なんか、
お中元やお歳暮も、
社長から、
「(前年に比べて)件数は減らすな」
って言われてるし、
こういう縁故って、
しんどいなあ。