NHKの映像の世紀バタフライエフェクト
先週、アインシュタイン編を見て、
次は、メルケルさんだと知って、
今回は、録画予約をした。
お休みになって、ゆっくり見た
『ベルリンの壁崩壊 宰相メルケルの誕生』。
いやあ、
この番組、
本当に私好み。
まだ東ドイツと西ドイツに分かれていた頃。
前首相だったメルケルさんは、
東ドイツにいた。
この番組で初めて知ったんだけど、
メルケルさんは、物理学者だったんだね。
学者として研究をしていた彼女は、
自由の無い東ドイツで、
将来に希望が無いと思っていた。
そんな時、
大学生だったカトリン・ハッテンハウワーは、
唯一 人々が自由に集まることが出来た
教会でデモを起こす。
外国に行きたいという思いを持っていた彼女は、
「自由な人々による開かれた国」と書かれた横断幕を持って、
自由に外国に行けるよう 国に求めた。
その日のデモは、
当局によって、邪魔されてしまったけれど、
その時の映像が、
フランスのニュース番組で流され、
東ドイツの人たちの目に触れる。
その映像で、
今まで不満を抱えながら、
ずっと我慢して来た人々が立ち上がる。
国中で、デモが起こり、
当局も対応せざるを得なくなった。
本来は、
「ビザを申請すれば、誰でも国外旅行が許可される」
という法案を発表するつもりだったのに、
報道官が会見で
「国外へ自由に旅行することができる」
「直ちに発効」の失言のせいで、
人々は、国境に押し寄せる。
その波に負けて、国境は開かれる。
大勢の人が、西ドイツに行った。
その中に、メルケルさんもいた。
そして、
驚いたことに、
当時KGBにいたプーチン大統領も、東ドイツ側にいた。
運命って、本当にあるのかもしれない。
その後、政治家になったメルケルさんは、
自由や民主主義は、
自分たちで手に入れた大切なものだと言う気持ちで、
ずっと政治活動をしていたらしい。
同じ時、
ドイツが1つになるのを見ていたプーチン大統領は、
何を思ったのか。
今、ウクライナを攻めている彼を見ると、
その答えが分かるような気がする。
当時、東ドイツで大ヒットした歌
『カラーフィルムを忘れたのね』
検閲が行われていた東ドイツで、
検閲を免れたこの曲の、
「カラーではなく白黒になった」という歌詞は、
単調で灰色の社会主義東ドイツへの批判だと、
国民が皆 理解していて、
東ドイツ人の約40%が歌うことができたと言われている。
その歌を、メルケルさんは、
首相退任式で、
贈る歌として、選んだそうだ。
監視され、自由を奪われていた東ドイツ時代。
自由を手に入れた瞬間を経験し、
民主主義の大切さを、
ずっと政治活動の芯にしていたんだと思う。
彼女が退任した今、
ドイツはロシアに対して、
難しい状況にあるようだ。
皮肉にも、メルケルさんが進めた
ロシアとの経済関係の深化が、
アメリカの反感を買い、
ドイツの立場を悪くしているらしい。
東西ドイツの統一の時の様に、
平和的な解決が出来なかったウクライナ。
ドイツの人たちは、
どう思っているのだろう。