平日の式典と言うのは、
働く身にとっては、
参加するかどうか、
というより、
参加できるかどうかというのが、
難しいなと思う。
結婚式ならば、
事前に日程が決まるので、
参列者が参加しやすい曜日で開催されることが多いだろうけれど、
お通夜やお葬式となると、
そうもいかない。
社長のお母さんが亡くなったのは、
土曜日の夕方。
お通夜は月曜日の夜、
お葬式は火曜日のお昼だった。
さて、
こういう場合、
一般的な企業では、
参列はどうするのだろうか。
起業によっては、
業務を止めて、
お手伝いに駆けつけるというところもあるだろうし、
社員数が多ければ、
近しい人たちだけが参列したりするのだろうか。
私の会社の場合、
今回なら、
事務方の私が残って、
前社長と社員さんが参列する予定だったのだけど、
今回は、
社員さんにも不幸ごとが起きてしまって、
忌引きでお休みだったので、
仕事が終わり次第、
お通夜だけ、
私も参列することにしました。
そんな状況に味方をしてくれるように、
月曜日が、
いつもの半分以下の業務量だったんですよね。
しかも、
トラブルも少なく、
仕事もどんどん片付いていく。
こんなことは、
最近では珍しいんだけど、
定時の1時間前には、
ほとんどの業務は片付いてしまった。
ああ、
これなら定時であがれるじゃないか。
ずっと目指してきた、
定時あがりが、
こんな日に出来るなんて、
嬉しいんだか、悔しいんだか。
お通夜は19時からだったんですが、
前社長は、
少し早めに出発してくれたので、
ぎりぎりまで、
細かい仕事を片付けてから、
一度家に帰って、
喪服に着替えて、
出掛けることにしました。
葬儀場は、
市外だったんですが、
雨が降り始めた、
夜の高速道路を走らなければいけなくて、
それが、
ちょっと怖かったなあ。
しかも、
葬儀場のある場所は、
初めて行く場所なうえに、
雨の夜の道。
とにかく、
無事にたどり着くことで必死だったよ。
で、
ようやく葬儀場に着いたら、
葬儀場の入り口にある受付に、
長蛇の列が出来ているのが見えた。
しかも、
雨のせいなのか、
駐車場は満車状態。
初めての場所で、
しかも、
夜で暗いなか、
駐車できる場所を探したんだけど、
けっきょく見つからなくて、
少し離れた、
邪魔にならなさそうなところに、
路上駐車させてもらうことにしました。
社長のお父さんが、
自営業をしていて、
今は、
お兄さんも手伝っているんだとは聞いていたけれど、
どうやら、
かなり大きい会社のようで、
記名する場所に3人、
そして、
その奥の受付に3人と、
計6人の受付の方がいました。
されていた方が、
葬儀場の方なのか、
親戚などのお手伝いの方なのか、
私には分からなかったけれど、
なんというか、
規模の大きさに、
正直圧倒されてしまった。
受付を済ませると、
そのまま、
お焼香の列へ。
焼香も、
3人ずつ行えるようになっていて、
並んでいると、
「どうぞ」
と言う感じで、
係の人が、促してくれる感じでした。
この焼香ですが、
式の参加数が少ないせいか、
なかなか作法が上手く出来ないんですよね。
後で調べて分かったんですが、
まず、
遺族に一礼して、
焼香して、
祭壇に合掌して一礼して、
遺族に一礼。
こういう手順らしいんだけど、
葬儀場の雰囲気に圧倒されてしまって、
一礼もせずに焼香しちゃったし、
その後の合掌や一礼もせずに、
列を離れてしまった。
まあ、
こういう事に慣れてしまうというのも、
どうなんだろうとは思うけれど、
年齢的に、
そろそろマナーを覚えないといけないなあ。
でも、
宗派によって、
焼香の時の、『おしいただき』の回数も違うみたいなんだよね。
無宗派の私なので、
そういうのも不勉強で。
でも、
こんな場で、
「ああ、あの人はマナー違反だ」
とか
「参列の作法がなってない」
なんて言う人もいないだろうけどね。
夜も遅かったし、
路上駐車もしていたし、
雨も降っていたので、
お焼香だけで帰らせていただくことにしました。
それなのに、
ふるまいの為のお弁当まで頂いて、
ただ、参列しただけで、
『香典辞退』で、
こちらからは何もできなかったのに、
なんか申し訳ない気持ちになってしまった。
ただ、
参列者がすごく多かったので、
早々と帰らせていただくことにしました。
下世話な話だけど、
あれだけの式になれば、
なかなか大変だろうなと思う。
参列者も多いから、
芳名帳の整理などもあるだろうし、
式中のあれこれをお願いする係の人も、
かなり多かったように思う。
雨だからなのかもしれないけれど、
帰りには、
布の温かおしぼりまで渡されました。
なんかね、
ここまで至れり尽くせりだと、
余計に、
焼香さえ、まともに出来なかったことが、
申し訳なくなってしまった。
でも、
こういうのも、
場数だからね。
親戚付き合いが、
あまり無いので、
式典の参加経験値が低すぎるんだよなあ。
年齢を重ねると、
不幸ごとの式が増えるって言うけれど、
少しずつ、
慣れていくのかしら。