気温がぐっと下がって、
確実に冬が近づいてきている。
なのに、
なぜか部屋に、
そこそこ大きい蠅が紛れ込んで来た。
いったい、いつ入り込んだのか分からないのだけど、
部屋中を、
気になる程度の音量の羽音を響かせながら、
飛び回っている。
部屋の扉を開けたり、
しばらく窓を開けたりして、
自主的にお外に出てくれるように
促しては見たんだけど、
こちらの意図は、
当然の様に伝わらない。
ブンブン ブンブン、
頭の上を飛び回っている。
さて、
いつまで飛び続けるんだろう。
蠅も、
日が暮れれば、
眠るだろうかと思って、
部屋の照明を暗くしてみたけれど、
動きは止まらない。
ああ、
我が家の狭い部屋なんかで、
最期の時を迎えるんじゃないぞ。
そう思っているのに、
全然、部屋の外へ行く気配が無い。
困ったものだ。
さて、
そんな蠅を見ていて、
私も、こんな感じで生きているのかもしれないな
って、
ちょっと哲学的なことが浮かんだ。
人付き合いや、外出が、
どんどん苦手になってきて、
平日は、
家と職場の往復、
休日は、
スーパーや病院など、
用事をこなす為だけに出かけて、
残りの時間は、
家で過ごす。
とても狭い範囲で生きているなと思う。
だけど、
何かのはずみで、
その狭い範囲から出てみたら、
違った楽しい事があるのかもしれないのに。
めんどくさい
嫌な思いをしたくない
そんな理由で、
行動範囲を変えたり、広げることを、
避け続けている。
でも、
それは、
狭い部屋を、
ブンブンブンブン言いながら、
くるくるくるくる回っている蠅と一緒で、
他人から見たら、
もっと広い場所に行けば良いのに
と思われているのかもしれない。
とくに用事や目的が無くても、
行った事が無い場所へ、
ふらっと行ってみようかな。
